間違った植林政策

R3.4.3更新

 間違った植林政策で山が病んでいる!!

 都会に住んでいる人が山の中に入ることは殆ど無いかと思われる。登山や自然が好きだという人も、そこは少しは手入れがされている場所ではないだろうか。

 戦後の核家族での住宅不足解消策で、政府は住宅建材の供給目的でスギやヒノキの植林政策を広めていった。昭和30年代頃までに植林された苗が育って柱等で出荷できた頃は、材木の単価もそれなりにあり、伐採しても利益が出た。しかし、外国からの低価格の材木が輸入されると、価格では太刀打ち出来ない国産の材木の需要が激減していった。
今では、太い柱が採れる優良木でも、伐採して出荷しようとしても全くの赤字になってしまう。

 土が流れて岩が露出  密植で枝葉や根が張らないので風倒木に  植林種以外は不毛の山に

 材木として出荷出来ないとなれば、植林された木々は枝打ちもされないまま放置され、節穴だらけの価値のない木材となって、利用できるのは燃料やチップくらいにするしかない。燃料やチップ用として木を山から出すのでは全く採算が取れない。悪循環に。


枝打ちや間伐等の管理を放棄された山は、密植で地表に全く太陽光が届かなくなり、草や低木が繁殖出来なくなる。
               ↓
草木が生えなくなれば、大雨が降れば地表の土が流れてしまう。降った雨は保水されずに一気に大水となって、下流域は氾濫となる。
               ↓
広葉樹の落ち葉も無いのでミミズやどんぐり等の動物の餌になる物が無いので、熊や鹿や猿等が山奥から下りて人家近くで害獣扱いとなってしまう。

 

毎年河川の洪水で甚大な被害が出ているが、これも植林による山の荒廃で保水力を無くした結果が如実に現れていると考えられる。ダムや河川の堤防に莫大な予算を注ぎ込むだけでなく、山の管理(林業)に予算を振り分けるのが賢明ではないかと思う。広葉樹の山は自然のダムとも言える。

井戸も雨が降れば少し濁り、雨が降らなければ涸れることにもなってきている。広葉樹が多かった数十年前までは、井戸が涸れることは皆無であった。河川についても同様で、濁流か枯渇するかの極端な水量の変化になってきている。