期になる日本語

H29.12.6 更新

 普段の日常会話で何気なく使っている日本語だが、本人は気がつかないで間違った使い方をしていたり、マスメディアや公的機関が堂々と間違った日本語で罷り通っていたりする。何が正しいのかは考え方の相違で逆転したりするが、正しい日本語を知っていて使うのと、知らないで使うのとでは言葉の深さが異なってくる。間違った日本語も、皆が日常的に何十年と使っていると、それが標準のようにもなってくるので、何が正しいかは決めつけられない一面もある。
しかし、日本語はその場の状況により微妙な使い分けが出来、奥深い文化と密接に関係しているので、正しい日本語は大切にして残していきたいものだ。

気になる日本語 正しい日本語 考  察
一生懸命
(いっしょうけんめい)
一所懸命
(いっしょけんめい)
賜った一箇所の領地に命を懸けて、それを生活の頼りとする。現在では、直面してしていることに命懸けで対応する時に使うので、やはり一所懸命が妥当
一生涯、命懸けで頑張るのは持続不可能で、責任の無いその場の言い逃れに聞こえ、一生懸命には重みが感じられない
一本締め
(いっぽんじめ)
一丁締め
(いっちょうじめ)
祝いの手締めは地方で異なるが、一般的な三本締めは問題無いが、一本締めは「ヨー、シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン」と、「ヨー、ポン」の二つが混同されていてどちらの手締めが始まるのかの判断が難しい。混乱を招かないためにも「ヨー、ポン」は一丁締めとするのが賢明である
印鑑を押す 印章(判子)を捺す 氏名を彫った物は印章または判子であり、印鑑とは役所に登録された印影(朱色)。判子(はんこ)は浮世絵等の版木を版行といったところから印章もはんこと呼ばれるようになった
いばらぎ いばらき 茨城県も茨木市も両方ともに「いばらき」で濁らない
援護射撃 掩護射撃 困っている人に救いの手を差し伸べるのは援護だが、相手を攻撃することによって守るのは掩護
押印  捺印 日本語としては捺印が正しいのだけれど、当用漢字が制定された時には「捺」の漢字が入らなかったため、法律の文書では、意味が同じような「押印」の漢字を使うことになった
おとそ 屠蘇散(とそさん)
+ お酒
 お正月に飲む熱燗のお酒をお屠蘇だと勘違いしている人も多いが、本当は屠蘇散(紅花、浜防風、蒼朮、陳皮、桔梗、丁子、山椒、茴香、甘草、桂皮等)を日本酒や本みりん等に浸けて屠蘇酒にして、これを元旦の朝に飲んで、一年の無病息災と延命長寿を願う
汚名挽回 汚名返上、名誉挽回 汚名挽回だと汚名を取り戻すことになり、逆の意味に。二つの熟語を短縮して誤用された
かくはん(攪拌) こうはん(攪拌) かき混ぜたりすることをいうのだが、正しくは「こうはん」と読むが、「かくはん」のほうが現実的には伝わりやすい
かくらん(攪乱) こうらん(攪乱) 「鬼の霍乱」(おにのかくらん)と、覚醒(かくせい)に似ているので「かくらん」と読んでしまい易い。学会でも例えば「内分泌攪乱物質」「ないぶんぴかくらんぶっしつ」のように間違ったほうが主流になっている
義援金  義捐金(ぎえんきん) 奥尻島沖地震(1993年7月12日)発生直後までは義捐金が使われていたが、奥尻島沖地震の半ばから直感的(捐の文字から損を連想、あるいは義捐金の単語を知らない人が)に分かり易いからなのか新聞やテレビのマスコミが義援金の当て字を使いだし、その義援金が阪神大震災で定着してしまったが、正しくは義捐金である
享年○○歳 享年○○ 天から享(う)けた(母親のお腹の中も含め生存した)年数であり、没した年齢ではないので歳(才)は付けずに、享年(きょうねん)○○と。マスメディアや公的機関でも歳を付けているのを見かけるが過ちである
魚貝類 魚介類  有用な水産動物を意味し、魚や甲殻類(貝や蟹)に蛸やイカやウニを指し、時には昆布やワカメまで含まれるが、海の動物である鯨や海亀は含まれない。本来は日本語には無い言葉。
「魚」は文字通りの魚で、「介」は甲殻類の貝・亀・蟹等を云う
携帯 携帯電話 携帯電話を略したら「携電」になっても良さそうなのに何故携帯なのか。切取るなら「電話」だけのほうが意味としては正当性があるように。一世代前のポケットベルはポケベルだった。売り出された当初から今のように小さければ懐中電話になってたかも
紅白(こうはく)の水引 赤白の水引 祝い事に使う場合、「こうはくの水引で」と言ったりしますが、一般に使う場合は「赤白の水引」が正しい。紅白の水引は皇室のみが使用できる水引の色で、この場合の「紅」は玉虫色を指し、見た目は濃い緑色に(黒っぽく)見えるため、京都では紅白と黒白を混同しないように黄白の水引を法事だけでなく葬儀用にも使う
固執(こしつ) 固執(こしゅう) 自分の意見を押し通す意味で使われるが、こしゅうと読む
しつこく凝り固まるとか、執務、執筆などで「しつ」と発音するため誤った発音になった
混み合う 込み合う 混むはまざり合う状態を、込むはあつまるとか詰め込む状態
電車内が満員で込んでいた場合も、混んでいた、は使わない
ごようたつ(御用達) ごようたし(御用達) 宮中や役所等に出入りして納品などを行う。音から「ごようたつ」と間違って発音
誰々さん御用達のような民間での使用はしない
探し物 捜し物 以前に在った物を見失ってさがす場合は捜し物。見たこともない未知の物をさがす場合は探し物。家出人捜し。恋人探し
ざんさい(残滓) ざんし(残滓) 残りかすのこと。精錬や焼却場などでは良く使われる。音から「ざんさい」と読み違える。「ざんさい」のほうが伝わり易いかも
散水(さんすい) 撒水(さっすい) 庭に水を撒いたり、埃っぽい時に通る撒水車は、水を散らかしているのではなく水を撒いているので撒水(さっすい)である
弱冠15歳の少女が完全制覇を成し遂げる 弱冠20歳で事を成す 「男子が二十歳で元服する」の限られた意味だったが、若くして何かを成し遂げた場合にも使われる
× 〆(しめ) 封筒の封字 ×(バツ)ではなく〆(しめ)で未開封の印し、緘(重要な書類や手紙に)、寿または賀(祝事の案内に)
じゅうふく(重複) ちょうふく(重複) 同じことが繰り返されること。最近はどちらでも構わないみたいだ
どうけい(憧憬) しょうけい(憧憬) あこがれること
しょうもう(消耗) しょうこう(消耗) 今はほぼ全員が消耗品「しょうもうひん」のように、「耗」を音からくる「もう」と発音している。唯一裁判等では「心神耗弱状態」「しんしんこうじゃくじょうたい」と発音されている
しんせき(浸漬) しんし(浸漬) 学会や企業でも、水中に浸された方式は「しんせき」と呼ばれているが、音から連想する「しんせき」は間違いで、殆どの人が読めないけれど「しんし」が正しい
水蓮 睡蓮(すいれん) 「睡蓮」は字が表すように眠るが如く花が閉じる。因みに睡蓮と蓮は別物で、蓮は丸い葉で、睡蓮は丸い葉に切込みが入る
盛者必衰(せいじゃひっすい) 盛者必衰(じょうしゃひっすい) 栄えているものも必ず衰えるのがこの世の定め
雪辱を晴らす 屈辱を晴らす または 雪辱を果たす 雪辱は言わば屈辱を受けてそれを晴らした状態
全然〜(出来る) 全然〜(出来ない) 全然〜出来ない、のように否定形で使う。肯定も可? 「全然忙しくないから大丈夫」と言うべきところを中抜きにして「全然大丈夫」に
せろん(世論) よろん(世論) 一般大衆の多くの声は(よろん)で、その調査自体は(せろんちょうさ)。かつてはNHKのニュース等で使い分けていたが浸透せず、その後NHKも(よろん)に統一された
早急(そうきゅう) 早急(さっきゅう) 普段言われるのは「そうきゅう」が多いが、正しくは「さっきゅう」
遵守(そんしゅ) 遵守(じゅんしゅ) 法律等で決められたことを守る、尊守は間違い
立ち振る舞い
(たちいふるまい)
起居振舞
(たちいふるまい)
作法教室等ではよく「立ち振る舞いをきれいに」とか使われるが四字熟語では起居振舞が正しい。一部では立ち居振る舞いと表記されているものもあります。「立ち振る舞い(たちぶるまい)」は旅立ちの際に料理などご馳走を振る舞うことを意味する
立ち下がり時間 復帰時間、収束時間 電気信号等で立上がり/立下がりとがペアで使われるが、立上がるの反対後は無いようだ。「立上がる」で一つの単語であるのを半分に切って下がりをくっ付けるのは、立つと下がるで意味を相殺してしまう。もっと適切な単語を考えてほしいものだ
たんのう(堪能) かんのう(堪能) 技術が優れた人をいう場合は「かんのう」で、同じことを繰り返して十分満ち足りた時は「飽きてたんのうした」と使う
超〜(可愛い、早い) 超〜(音速、電導) 形容詞や動詞には使わない。比較級ではなく、〜を超えて別のものになる場合に使う。超伝導のように、導電体より抵抗が低く別の挙動を示す場合等
低燃費  高燃費 最近、エコで燃料消費が少ない自動車を「低燃費」と宣伝しているが、「燃費」は走行距離/燃料消費量で表され、数字が多いほど燃料消費が少ない。エコカーは高燃費になる
「燃費」を燃料費との考えもあるが、宣伝では○○km/Lを指している
出鼻をくじく 出端を挫く ではなをくじく、と読み、最初の出だしに阻止されること
出鼻は、山や岬等の突き出たところをいう
どくだんじょう
(独壇場)
どくせんじょう
(独擅場)
その人だけが活躍出来る場。土遍の「壇」と手遍の「擅」を間違って「どくだんじょう」と読み間違った
刺(とげ)が刺さる 削げ(そげ)が刺さる 竹や木の尖った小さな物は「削げ(そげ)」、人間の体に「削げ」が刺さった状態を「刺(とげ)」という
   
二の舞を踏む 二の舞を演じる 同じ間違いを繰り返すことをいう
二の足を踏むと混同してしまう
     
     
捏造(ねつぞう) 捏造(でつぞう) 無い物を実際に有るように偽ること
熱に魘(うな))される 熱に浮かされる 高熱が出て正体なく心が浮ついた状態。熱が出て、恐ろしい夢を見て魘(うな)されているのを略して誤用
爆睡(ばくすい) 困睡、熟睡、昏睡 疲れて眠るのは「困睡」。十分に眠ったら「熟睡」意識がない状態は「困睡」。「爆」の文字は炸裂や弾け飛ぶのような勢いがあり、眠ることとは全く逆で、最上級の意味での用法は間違い
はだざむい(肌寒い) はださむい(肌寒い) 肌触りは濁って「はだざわり」ですが、肌寒いは濁らない
付属(附属) 附属(付属)

本来の意味は、付属は能動的な行為で、付与するとか給付するとかに使われ、附属は受動的なもので本人の意思には関係なく初めからとか、選択肢が無く自動的に附属する(病院と施設)ものに使われた。
新聞などのメディアは故意に付属を使う。付属も附属も当用漢字や常用漢字に有ります

     
   
仏檀  仏壇(ぶつだん) 木で作られているので檀のような気がするが壇 檀家はきへん
まいばら(米原)   まいはら(米原) 古くからの地元での呼び名は「まいはら」と濁らない。しかし、地元の呼び名を優先する国鉄が明治時代に間違って「まいばらえき」としたため、まいばらの方が有名となった。地域の呼び名もまいはら町からまいばら市と揺れ動いた
まきかぼうしそうち 巻過防止装置 クレーン等建設機械の講習会では「まきか(巻過)」と読んだり、逆さにして「かまき(過巻)」と読まれている。音読みと訓読みを取り混ぜて難しく読まなくても普通に「まきすぎぼうしそうち(巻過防止装置)とした方が理解し易くて良いと思う
負けず嫌い 負け嫌い どちらも間違いとは言えませんが、他人に負けることが極めて嫌だとの意味ならば「負け嫌い」。「負け嫌い」や「負けじ魂」を混同したものと思われる。食べず嫌いとは「ず」の用法が異なるが、受け取りようによっては逆の意味になってしまいそうだ
ミッション マニュアルトランスミッション(MT) 車の変速機のタイプを聞くのに「ミッションそれともオートマ」かといった聞き方をされるけれど、オートマもオートマチックトランスミッションだから、聞き方としては「マニュアルそれともオートマ」になる。最近ならAT車が大半なので「ミッションそれともCVT」のほうが言葉の使い方としては素直。尤も、最近の新車のMT車比率は5%以下に
無駄遣い
(むだづかい)
徒遣(むだずかい) 徒でむだとは読めない人は多いのではないだろうか。「徒労」(とろう)は比較的良く使われている。しかし、最近は無駄遣いが主流のようだ
明太子 辛子明太子 スーパーの売り場で、辛子明太子を「明太子」、普通の塩漬けは「たらこ」と表記するところがあるが、明太は朝鮮名で鱈のこと。即ち明太子と書けば「たらこ」のことになる
よろんちょうさ
(世論調査)
せろんちょうさ
(世論調査)
一般大衆の多くの意見は(よろん)で、その調査自体は(せろんちょうさ)。かつてはNHKのニュース等で使い分けていたが、日常では使い分けていないため浸透せず、その後NHKも(よろん)に統一された
漏洩(ろうえい) 漏洩(ろうせつ) 秘密などが漏れること言う。漏泄とも書くが、これなら「ろうせつ」と読める。船等を引くのに曳航と言うが漢字が違う