左側通行か右側通行か

 H29.2.12 更新

歩行者

 普段よく議論されることに、歩行者は右側を通行をすれば良いのかあるいは左側を通行すれば良いか、と云うのががありますが、これは歩行者専用路か、車両と歩行者の共用路かを混同して考えるから起こる混迷である。

 日本国内においての大原則は左側通行(道路交通法)である。従って、車両は左側通行であり、歩行者も歩行者専用路(駅や公園等)では左側通行である。
唯一異なるのが車両と歩行者が道路を共用する場合(生活道路や一般道ではほとんどこれに該当する)で、この場合に限り歩行者は右側通行となる。これは歩行者と車両の接触事故を考えた場合、歩行者は後方よりも、前方から車両が接近する方が危険回避の処置をとり易いからだ。

 駅の構内や階段では、通行区分は夫々の駅でバラバラで、人の流れに任せているようで、多数派の流れに後から通行方向を決めているようである。頻繁に同じ駅を利用する場合はそれでも良いが、旅行や出張先等初めて行った場所を知らずに歩いていたら、人の流れに飲まれて戸惑うこともしばしばである。駅等の公共の場では左側通行と決めた方が混乱を招かない。

 

自転車

 自転車は軽車両に分類されるため、左側通行を行わなければならない。平成25年12月に道路交通法が改正される前は、1.5m以上の幅がある路側帯においては右側通行も可能でしたが、法改正後は原則(道路事情でやむを得ない場合を除く)左側通行になった。また、自転車は歩道通行禁止になったが、自転車通行可の標識がある歩道の場合は自転車も歩道を通行できる。ただし、歩道内では車道側を徐行しなければならない。
 右側路側帯での通行(右側通行)が禁止になったのは、事故の可能性が高くなることに尽きる。狭い路側帯で、正しい左側通行をしている自転車との正面衝突を回避しようと思えば、どちらかが車道側に飛び出さざるを得なくなり、その時に車両と接触する可能性がある。また、カーブなどで見通しが効かない場面で、右側通行の自転車の速度と車両の速度を足した速度(相対速度)で対面するため、事故回避処置が間に合わなかったり、万が一事故になった場合は被害が大きくなる。

 

 


エスカレータ・動く歩道

 関西は左側を歩く人のために空ける、関東は右側を歩く人のために空ける、となっていて物議を醸しだしている。関西か関東か、どちらかに統一して欲しいと思っている人は多いと思われるが、現実問題としては難しい。 避けて欲しいのは、私は関西人・関東人だからと言って、人の流れを遮ぎり、逆側に悠然と邪魔をすることである。この気遣いの出来ない太々しい人が多いのは残念である。 しかし、最近ではエスカレーターでは「歩かないでください」と指導するところが増えてきている。電車の発車時刻を考えれば、ほんの5秒、10秒でも、乗り遅れるのは当人にとっては大きい問題でもある。
 では、どちらの側を空けるのが理に適っているのだろうか。日本国内では、最初のエスカレーター設置をしたのは関西で、「左を空ける」である。現在は東京・名古屋・札幌・福岡等右側を空ける地域が多い。しかし、世界的にはヨーロッパをはじめ主流派は左側を空けるほうである。



自動車や鉄道

 日本では左側通行であるが、世界的には右側通行が圧倒的に多い。主な左側通行の国としては、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、インド、タイ、香港等と、その他60カ国くらいで、これらはイギリス領やイギリス領だったためである。
現在右側通行のアメリカも左側通行だったが、独立後に右側通行に変わった。途中で右側通行に変わった国としてはスウェーデンが1967年に移行している。陸続きの周りの国が右側通行だったので物資の移動を考えると仕方なかったのかもしれない。ただ、鉄道は今も左側通行のままである。

 遥か昔はどうだったかというと、ローマ帝国時代は左側通行であった。また、フランスもナポレオン以前は左側通行だった。