金銭だけ が全てで良いのか

H24.11.26更新

近年、物事を金銭のみにて判断されることが多くなった。お金は勿論大事で、お金抜きで物事は考えられないが、金銭の物差しだけで全てを判断するのはどうかと思う。目先の金銭だけで判断していると、何時かしっぺ返しを受けることになるであろう。

★大手企業は人件費削減でリストラを行い、生産コストを下げるために海外での生産に重点をおき、経費削減で統廃合を繰り返してきた。
余剰人員を切り捨てたことは、企業の体力を低下させ、団塊の世代が培ってきたノウハウの蓄積を失い、働く人の心に余裕が持てなくなってしまった。
リストラや経費削減や省エネなど、切り詰めて短期的に黒字になっても、行きつく先は没落しかない。 経費削減は、長い目で見たら自分たち(社会)の首を絞めてることになる。
企業は付加価値額を上げることが大事で、付加価値額は企業の利益+事業で使ったコストを足したものである。つまり人件費や経費を削減すれば企業単体では黒字にはなるが、事業で使ったコストが減るため付加価値額が下がり、企業の体力が落ちてきて破滅へと繋がる。事業でコストが掛かると云うことは地元にお金を落とすことになり、地域の経済が潤うことになる。逆の発想をすると社会が無駄遣いをすればするほど地元は潤うことになる。近年、企業や官公庁は無駄(考え方で一概に無駄とは言えない)と思われることを見直してコスト削減を目指しているため、だんだん経済は回らなくなり、市民生活は疲弊して行くばかりである。
 企業が海外に生産拠点を移したことは、日本国内の失業者を増やし、世界最先端技術の国外への持ち出しと同じで、その後進国がその技術を使って発展すれば、本家の日本が足元を掬われてが慌てふためくことになる。
企業として生き残るためには仕方がないと、割り切って良いのだろうか。

★ホームセンターは便利なのでよく利用するが、安かろう悪かろうの物がどんどん幅をきかせるようになってきた。
消費者も安ければ安い程良いとの考えで、品質が良くても高いものは買わなくなってしまった。安物は実際に使ってみると値段相応で、性能が悪くて直ぐに壊れてしまう。安価で粗悪品でも、一時的にそれなりに使えたら十分目的が果たせることもあるが、安価で粗悪品を何度も買い替えるのは、資源の無駄で環境にも負担をかけることになる。「安物買いの銭失い」とは昔からのことわざでもある。
 メーカーが低価格の製品しか売れないからと言って、安かろう悪かろうばかり作っていたのでは、日本は世界から見向きもされない三流国家になってしまうだろう。
一流企業(国家)にするのも三流企業(国家)にするのも、消費者である我々国民であることを忘れてはいけない。

★近年の道路工事で、石やブロック舗装が多く取り入れられて美しいのだが、舗装されてきれいになったと思っていたら、数年もしないうちに配管工事等で舗装の一部分を切断して掘り起こされる。舗装の一部分を掘り起こす場合、剥がしたブロックは全て廃棄され、舗装道路全域に全く別様式の新しいブロック舗装にしてしまう。そうではなく、壊さずにブロックを剥がして一時退避し、配管工事が終わったら元使っていたブロックを敷き直せば、余分な材料(ブロック)を買わなくても最小限の材料補填で元通りに出来る。修理した部分だけ少し色が変わるだろうが、それも味わいのある風景だと思うのだが。
請け負った業者は新しい材料(ブロック)を使う方が手間がかからないし儲けも多い。そして、その工事を発注する役所も継ぎ接ぎでは由としない。税金と資源の無駄遣いとしか言いようがない。
 ヨーロッパに多い石畳では、配管工事等で剥がした石は町外れの集積場に山積みされていて、工事が終わればまた元通りに復元するのだそうだ。メンテナンスに重きをおいた古代ローマ人の考え方ですね。
 京都祇園の料亭「一力」の、大通りにある犬矢来(犬のおしっこ避け)は自然の素材を使っているので年数を経ると腐ったり壊れたりするが、その修理は全部廃棄して新しくするのではなく、傷んだ部分だけを新しい部材で補修している。補修した部分だけ全く色が違うのだが、それも返って趣を漂わせている。

★最近はいろんな店が新しく出来ては数年もしないうちに消えていく。その多くは安さを追求して、価格の安さだけを店の方針にしているところが潰れている。価格だけでは対抗する店が出来ればお互いに値下げ競争をせざるを得ない。商品の質を落とすとか、人件費を削減するとかしなければならないが、そうすると安かろう悪かろうに転落してしまい、果てには競争に負けて店仕舞いに陥る。安さでは一時的には繁盛するだろうが、何れは客に見放されてしまう。
 手芸用品の「ユザワヤ」は、価格では勝負せずに商品の品揃えや、手芸教室等で繁盛している。商品は、売れるものばかりを並べるのではなく、1カ月に1個しか売れないようなものまで全ての品の在庫をして、「ユザワヤに行けば欲しいものは必ず揃う」と、遠くてからでもお客さんが足を運ぶ。その1個を買うために足を運んだお客さんは、ついでに他の商品も買い込んでいく。店主曰く、うちは売れない商品で商売をしていると。