駐車違反の罪は重い

 H2911.7 更新

★駐車違反は明らかな法律違反(道路交通法)である。しかしながら、交通違反は刑事罰(前科)にならないため、一般市民の法律違反の罪意識は希薄と言えよう。
 他の交通違反(スピード違反は、歩行者からは一見して何km/hの速度違反なのか分からないし、信号無視などにしても見かけることは極めて稀である)とは異なり、駐車禁止場所に何気なく停めた車は法律違反であり、誰が見ても駐車違反であると分り、多くの人が目にする。そして子供の目にも止まる。子供が成長するに従い、それが違法駐車(法律違反)であることが理解出来ても、子供は何時も目にすることなので、「法を破ることは大したことではない」と法律を軽んじるようにもなる。子どもは大人を見ながら育っていく。

 

★スピード違反にしても、信号無視にしても、違反者本人の身体にも危険を伴う違反行為であるが、違法駐車は別物である。
駐車違反は利己主義的で、周辺の車や歩行者への迷惑は甚だ大きく、また事故を誘発するために大変危険である。しかし、違反者本人の身体的危険性は殆ど無い。一人の自己中心の考えで、何百台、何千台、そして多くの歩行者に迷惑を掛けることになり、命を奪うという最悪の事態にもなりかねない。
そして、駐車している違反車両に追突するとか、駐車違反車両を避けようとして第三者が事故を起こしても、交通事故の過失割合の解釈から、駐車違反車両は停止いるのだから事故当事者の前方不注意が原因とされ、駐車違反の当事者は自分には責任が無いと思っている。
実際の事例では、駐車違反者も過失で責任を問われることも多く、悪質な場合は刑事罰になることもある。

 

★日本は自分の車ことしか考えない(自己中心の)人が多い。周りの車(人)に迷惑をかけない運転を心がける人が少ないのは悲しい限りだ。迷惑駐車や歩行者にクラクション、追い越し車線をノロノロ運転、道路合流地点で譲り合わずにわれ先にと、目に余ることばかりだ。
 欧諸国では、「他者の権利を保障することが自分の権利の補償につながる」との考えが根底にある。ドイツのアウトバーンは制限速度が無いので、追い越し車線を100km/hで走っていたりしたら200km/h以上で迫ってくる後続車に気が付いてから車線変更しても間に合わないので、殆どの車は追い越しを終えたらすぐに走行車線に戻る。
信号機の無い横断歩道の前に居たら、全部の車両が停止してくれる。その代わり、交差点での歩行者の青信号の時間は短い(車を必要以上に待たせない)く、極端な場所では3秒くらいで赤信号に変わるところもある。
 米では、絶対にクラクションは鳴らさないのが常識となっていて、これはマナーが良いのではなく、相手(前の車が)がどんな人間か分からない(銃で撃たれる恐れもある)ので、単純にトラブルを避けているのだ。
日本人も、交通ルールを守る以前にマナーを守りたいものだ。

 

★駅周辺の放置自転車(路上駐車の部類)は、いろんな対策がなされているとは思うが、何時まで経っても解決する気配はない。点字ブロックの上に置かれることは日常茶飯事で、歩道を埋め尽くしていたり、酷い場合は駅の出入り口を塞いでしまう場合もあり、大人しい人でも「いい加減にしろ」と心の中で怒鳴りたくなるだろう。

 車社会を基本に街が作られている中、環境のことを考えると自転車利用は望ましい交通手段なのかもしれない。自宅から目的地まで自転車で行けば問題は少なかったのだろうけれど、住まいと目的地(勤務先)がより離れてしまった現在では、駅までは自転車利用とか駅から目的地までは自転車利用という人が増えるのも仕方ないだろう。しかし、駐輪場もそれに伴い徐々に増えているので、駅周辺に溢れる放置自転車は減っても良いずだ。
昔だったら歩いていた距離を、時間短縮や楽をするために自転車で移動するようになり、更に駅周辺での自転車台数が増えてきた。時間短縮や楽をする目的での自転車利用者は、出来るだけ駅改札口(目的地)の近くに置けて、費用がかからないことが重要不可欠になり、その結果が駐輪場を利用しない放置自転車となる。
 バス利用の人が自転車利用に切り替えた場合は、駐輪場が少し離れていても全体の距離からすれば誤差になるので駐輪場に素直に入れる人は多い。たとえ有料であっても、バス代のことを思えば安いので駐輪場を利用することに抵抗は少ないからだ。

激安自転車の流通が、放置自転車が増加する一因(路上放置で盗られても、また買えば良いの精神)にもなっている。

放置自転車(自己中心)の考えが、そのままバイクの歩道走行や信号無視、そしてすり抜け蛇行運転につながり、自動車の路上駐車へと尾を引いていく。